昔から茶業界は、不景気に強い業種と言われてきました。景気のいい時も急激に業績が伸びない代わりに、不景気になってもそれほど落ち込まない、というのが今まで言われてきました。でも、今回の不景気は茶業界を直撃しています。お茶の生産価格はここ数年で、約2~3割落ち込みました。また、消費量も約1~2割減っています。お茶農家や、茶業にたずさわっている人は、このままお茶の生産を続けていけるのだろうかという不安でいっぱいになっています。
現在の不況下で、お茶の販売促進に欠かせないのは、安全でおいしく、なおかつ安いという事だと思います。安くておいしいお茶を造るには、経費削減しかありません。静岡のお茶農家は、零細な農家が多く、摘み取りと加工のコストが高くなっています。大規模なお茶農家が多い鹿児島と比べますと、静岡のお茶農家は約2~3割コスト高になっています。そのため、同じお茶単価で生産をしましても、手取りは少なくなってしまいます。大規模にするためには、農地の集積と機械化が必要です。数年前より、行政を中心に農地の集積化をしていますが、まだまだの感じがします。これから静岡茶が生き残って行くためには、今回の不況は良い意味でのハードルになるのかもしれません。今までぬるま湯に浸かっていた業界が、今回の試練で真剣になって静岡茶の将来を考えられたら、消費者にとっても、茶業界にとってもメリットが大きいと思います。
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