静岡は日本一の緑茶生産県です。でも、このところ、鹿児島などの他産地に追い上げられています。鹿児島は、温暖な気候を生かして、静岡より早く新茶を生産することで急速にブランド力を伸ばしてきました。静岡で新茶の摘み取りが始まる前に、生産をすることで、単価を高くすることが出来、収益も伸ばしてきました。鹿児島が温暖といっても、静岡も温暖です。なぜ鹿児島が早く新茶の摘み取りが出来るかといえば、早生品種を取り入れて、より早く新茶の摘み取りが出来るようにしたためです。鹿児島では静岡よりも少しでも早く新茶の摘み取りが出来るということを目標に早生品種の開発に力を注いできました。
それに比べて静岡はこれといった対策を取ってきませんでした。数年前までの鹿児島のお茶は、早く生産されても味は苦くて静岡のお茶より劣っていました。しかし、ここ数年の努力で静岡のお茶と同品質までレベルを上げてきました。同じ品質なら、早く生産されるお茶が買い求められるのは当たり前のことです。今までは、静岡茶というブランドで売れていたかもしれません。しかし、これからは本当に美味しいお茶が売れる時代になりつつあります。ブランドといいますのは、品質が良いからブランドが確立するわけであって、品質の悪くなった商品のブランド力が急速に廃れていくのは当たり前のことだと思います。現在の静岡茶のブランド力や、他産地と比べての優位性を考えてみますと、あまり見あたりません。次回のコラムでは、静岡茶をいかにしたら復活出来るかを考えてみたいと思います。
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