3月も終わりに近づいて来ますと、新茶への期待と不安が交差してきます。今年の新茶の出来はどのようになるのでしょうかという不安や、お客様が満足していただける新茶が出来るのでしょうかという不安が頭をよぎります。その半面、今年は天候に恵まれて茶園は良い状態を保っていますので、美味しい新茶をお届け出来るのではないかという期待もあります。
お茶は加工農産物ですので、摘みとりをしてから加工をしなくてはいけません。他の果樹や野菜のように、摘みとりをすればそれで終わりではありません。摘みとりの後の加工でもお茶の味が変わってしまいます。しかし、お茶の生葉が良くなくては、いくら高度な技術を持ってしても美味しいお茶は出来ません。良い状態のお茶の生葉を使ってこそ、美味しいお茶を作り出すことが出来ます。最高の状態に生育したお茶の葉を使い、そのお茶の葉のうま味を最高の状態で引き出す技術があってこそ、美味しい新茶を作り出すことが出来ます。そう考えていきますと、期待より不安の方が大きくなっていってしまいます。でも、美味しいお茶を作りたいという情熱は、新芽が伸びるに従って高まっていきます。
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