前回のコラムでお茶の個性について書きました。最近、お茶に個性がなくなってきたと思われるお客様が多くなってきました。どこのお茶を飲んでも同じような味がするという意見が多いです。その原因の一つが、静岡県では「やぶ北」が約90%を占めているということがあると思います。やぶ北という品種は、味がいいこともありますが、病気に強く、収量も多いというメリットがあり、作りやすい品種です。そのため、静岡県ではほとんどのお茶が「やぶ北」の品種になってしまいました。
しかし、単一品種だけを育てていると弊害も出てきます。それは、摘み取り時期が短期間に集中してしまうということです。お茶は4月末から5月はじめに摘み取りを行います。1日摘み取り時期が違うだけで品質が違ってきてしまいます。摘み取り時期が集中するということは、一番良い時期に摘み取りが出来ないことになってしまいます。早生品種、晩生品種、を植えることで、その品種にあった一番良い摘み取り時期を逃さずに摘み取りを行うことが出来ます。いま、新しい品種を植えてもっと個性のあるお茶を作ろうという機運が高まっています。次回では、具体的にどのような品種を植えようとしているかを書いてみたいと思います。
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