11月になると茶園には可憐な花が咲きます。お茶はツバキ科ですので、お茶の花も椿のような花です。白く可憐な花は、とても綺麗です。花の咲くのは種をつけるために咲くのですが、いまでは挿し木に変わってしまっているので、茶種の利用価値はほとんどなくなってしまいました。いまは、食用のお茶油にする原料に使われているぐらいです。
また、お茶の樹に花がつくのはお茶の樹が弱っている証拠になっています。というのは、栄養不足なお茶の樹はこのままでは枯れてしまうのではないかという不安から、花をつけて実を実らせて子孫を残そうとします。そのために花が咲きます。反対に栄養が行き渡っている茶畑は、平穏に暮らしているので、花を咲かせる必要がないのです。一見、綺麗なお茶の花も、茶園からのメッセージを秘めていると思うと、とても神秘的に思えてきます。
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